水木沢の樹木

更新日:2023年01月27日

江戸時代初期、尾張藩は木曽山のヒノキなど良材を強行に伐採し、木曽をはげ山にしてしまいました。 江戸中期になって、その危機的状況を救うために、尾張藩はヒノキ、サワラ、アスナロ(ヒバ)、ネズコ、コウヤマキの5種類の伐採を禁止し、「木一本首一つ」といわれるほど厳しく取り締まりました。これが「木曽五木」といわれるゆえんです。水木沢では、木曽五木のうち、「ヒノキ・サワラ・ネズコ」の見事な森を見ることができます。
自然に育った森にはたくさんの種類の木が混生しているのが普通ですが、針葉樹である五木だけが保護された赤沢自然休養林などは、 ヒノキやサワラの純正林が形成されたといわれています。その点水木沢天然林にはブナやナラなどが伐られずに残ったことは幸いでした。

主な針葉樹
ヒノキ・サワラ・ネズコは 葉の裏 を見比べると違いがわかります。

ヒノキの葉 材はやさしいピンク色で光沢があり、保存性に優れた我が国を代表する銘木です。
成長が遅く、年輪が綿密で、「木曽ヒノキ」と呼ばれる」所以です。
葉は小さなうろこが並んだ形で「鱗片用」と呼ばれ、
葉の裏の気孔線(白い線)はY字型になっています。
サワラ
材や樹皮がやわらかいことから、やわらかいお古語「さわらか」が語源になったといわれています。
また沢筋に多いことからサワ(沢)ラとの異説もあります。 葉も樹皮もヒノキそっくりで、
見分けは難しいのですが、葉の裏の気孔線がX字に読めるところが区別のポイントです。
材は強度が小さいことから建築材の板や桶材に使われます。

 

ネズコ
材の色が灰色を帯びていることからネズミ色、ネズコと名前がつきました。
尾根筋にだけ見られ、水木沢でも高い場所にあります。
樹皮が赤紫色を帯び、ヒノキやサワラとは区別しやすい木です。
材は板は下駄などに利用されます。材を加工するときに出るオガコは、アレルギー質の人は鼻がかゆくなるといわれています。
キタゴヨウマツ
尾根筋に数本の大木が見られます。
低山の赤松は2本の針葉が鞘でくっついていますが、ゴヨウマツの仲間は5本の葉がセットになっています。
落ち葉を拾ってみるのも面白いでしょう。

 

ウラジロモミ
別種のモミは標高1000m程度以下にありますが、それ以上高くなるとウラジロモミに変わります。
若い枝に毛があるのがモミ、毛がないのがウラジロモミです。
どちらも材は長持ちしないのですが、早く腐るといって棺おけに使われます。
 
 

 

 

主な広葉樹

きれいな水を生み出す、ふかふかの分厚い土壌を形成するのが、広葉樹の落ち葉です。水木沢には針葉樹の中にたくさんの広葉樹が混生しているのです。

 

ブナ
ブナは日本海側に、 イヌブナは太平洋側に分布の中心がありますが、
水木沢では標高が高いためかイヌブナは見つかっていません。
葉の裏に毛がはえているのがイヌブナです。
ミズナラとコナラ
ドングリをつける木は、里ではコナラ、 高いところではミズナラです。
水木沢ではコナラは見られません。葉の付け根に葉柄のあるのがコナラ、ないのがミズナラです。

 

シラカンバ
シラカンバは信州を代表する樹皮の大変美しい木です。
山火事の跡地や放置された牧草地で純林を作りますが、
水木沢のような成熟した森林では見られません。
トチノキ
木曽谷の樹木の中でも、 もっとも大木に育つ樹木です。

 

ホオノキ
初夏の木曽谷ではホオノキの葉にお餅を包んだホオバ巻が風物詩です。
ホウノキの葉は1枚が30cm位あって、名前は大葉、または包葉が由来でしょう。
各地方には生活に密着し親しまれる樹木があるのですが、木曽谷ではホウノキがその筆頭です。
ウワミズザクラ
山に咲く桜の仲間ですが、花は試験管を洗うブラシのような形をしています。
お盆のころには赤い実がなり、果実酒にすると杏仁豆腐のような香りがします。
実はおいしくはないのですがクマにとっては大好物で、樹の上で枝を折って座布団にして食べています。
ヒナウチワカエデ
樹高5メートル程度の低木として林内に育成しています。
葉は4センチ程度と小さく、また薄くて細かく切れ込んだ繊細な感じのカエデです。
リョウブ
大きいものは直径15センチくらいに育つリョウブ科の低木、または亜高木。
樹形はすらりとしていて、樹皮はサルスベリのように鹿の子模様にはがれることからサルスベリと呼ぶ地方もあります。
昔は食料に模したようですが、おいしいものではありません。
針葉樹 広葉樹
高木 亜高木 低木 つる性
ヒノキ
サワラ
ネズコ

ウラジロモミ
コメツガ
キタゴヨウマツ
カラマツ
アカマツ
オニグルミ
サワグルミ
シラカンバ
ミズメ
ウダイカンバ(マカンバ)
ケヤマハンノキ
ブナ
ミズナラ
カツラ
ホウノキ
ウワミズザクラ
カスミザクラ
イタヤカエデ
トチノキ
シナノキ
ハリギリ(センノキ)
ミズキ
ヤマネコヤナギ
タムシバ
アオハダ
マルバカエデ
エンコウカエデ
オオモミジ
ウリハダカエデ
ヒナウチワカエデ
コシアブラ
オオカメノキ(ムシカリ)
リョウブ
ネジキ
ヤドリギ
ウスゲクロモジ
ノリウツギ
タマアジサイ
モミジイチゴ
ナンキンナナカマド
ツルシキミ
ヤマウルシ
ツルツゲ
サワダツ
ツリバナ
コミネカエデ
イソノキ
アクシバ
ウスギヨウラク
サワフタギ
ムラサキシキブ
ミヤマシグレ
ミヤマカマスミ
マツブサ
イワガラミ
ツルアジサイ
ツルウメモドキ
サルナシ

 

この記事へのお問い合わせ先

木祖村役場 産業振興課 商工観光係

電話番号:0264-36-2001

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