菅地籍の「十王堂(じゅうおうどう)」前の土手の斜面に、お堂と村道を覆うように大枝を張って植生している。
樹高約20m、目通り幹囲3.9m、枝張り約16mのバラ科の大樹である。
中枝にやや枯れ枝が見られ、老木の様相を呈している。
樹姿がよく整い、山里の春には他の桜に先がけて、淡紅色で空一杯に広げた開花時は実に素晴らしい。
この指定木は、樹下に古くから伝わる「十王堂」と、馬頭観音像をはじめとする44基の石像物が、江戸時代前期に建立されたと推定されていることから、これらに劣らない何百年もの樹齢をもつものと思われる。
「木祖村の文化財めぐり」 (S61.3.25発行・木祖村教育委員会)より
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