 科名:カバノキ科 属名:カバノキ属 学名:オノオレカンバ 和名:オノオレカンバ |
| 木曽のお六櫛は主に「みねばり」の木から作られます。かつてみねばりは鳥居峠付近に多くあったことから、藪原がお六櫛の主要生産地となったと言われてきました。その材は堅く、斧が折れるという意味から「斧折樺(学名:オノオレカンバ)」と呼ばれます。一方、みねばりの呼称名は地方名で、山の岩地から「峰に張り出す」ように生育することに由来するともいわれます。 本州の中部から東北にかけた太平洋側にかけて分布し、山地では土壌の浅い尾根や岩角地に大木が生えます。現在は木曽郡内や鳥居峠には見られないが、県内では佐久地方・上下伊那地方に多く分布しています。 藪原では、江戸時代から明治・大正と、上伊那から下伊那にかけて南アルプス山系に入り採取加工した記録が残っています。 水に沈むほど比重があり、過酷な環境に生きるため年に0.2ミリほどしか太くならず、その生長はきわめて遅い。それゆえ、ほかの木には見られないほど密度が高く緻密な組織になります。 みねばりは硬いだけでなく粘りがあり、狂いも出ないことから、お六櫛のような細かい歯の櫛の材としては最適といえます。 |
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